健康な猫の目


猫の視力

猫がみているのは灰色っぽい世界です!

猫は人間と異なり、赤色や緑色を認識するための細胞(錐体細胞)をほとんど持っていないため、これらの色を識別することができないと考えられています。
一方で、青・黄・灰色などを識別する細胞は少数ながら存在します。
そのため、猫が見ている世界は、私たち人間が見るようなカラフルな景色ではなく、やや灰色がかった、色の少ない世界であると考えられています。
猫は夜間のわずかな光の中でも見ることができます

猫の目の光を検知する細胞はヒトの6-8倍あり夜間のわずかな光の中でも見ることができます。
また動体視力はヒトの4倍すぐれており、ネズミなどの小動物のかすかな動きでも察知する能力があります。
猫は近視のために6メートル以上離れて物体は鮮明にみることができないといわれています。

このような症状がみられたら早めに診察を受けましょう!

猫に多い目の症状について
♡当院でよく診察する代表的な症例を、いくつかご紹介いたします。
涙の量が多い

(猫ヘルペス感染症)

猫ヘルペスウイルス感染症は猫の上部呼吸器がおかされるの伝染病です。感染初期にこのように大量の涙がみられます。
目ヤニでまぶたがくっついている

(猫ヘルペス感染症)

猫のヘルペスウイルス感染症(猫風邪)でこのような症状がよくみられます。ヘルペスウイルス感染症をこじらせると大量の目やにが乾燥してまぶたがくっついて目が開かないこともよくあります。
まぶたが赤く腫れている

(猫クラミジア感染症)

クラミジア感染症でこのような症状がよくみられます。またシャンプー剤や草の実などの異物が目にはいってこのような症状がみられることもあります。
目のまわりが赤い

(眼瞼炎)

アレルギー、猫ヘルペス感染症、クラミジアなどが原因でこのようなまぶたの周囲の炎症がよくみられます。猫はかゆみのために目をかいたりこすったりしてさらに症状が悪化します
眼球表面の傷

(角膜炎)

角膜潰瘍の診断に使う染色液を点眼すると、傷ついた部分が緑色に染まって見えるようになります。この猫ちゃんは、シャンプー中に洗剤が目に入ってしまい、角膜に炎症が起きていました。
目の白濁と眼球表面の陥没

(潰瘍性角膜炎)

この猫ちゃんは、目の傷が長く放置されていたため、角膜に穴が開き(穿孔)、眼球の中まで細菌感染が進んでしまいました。このような状態になると、表面の傷が治っても失明してしまう可能性があります。
乳白色の目やに


免疫が低下している老齢猫、猫免疫不全症(猫エイズ)などに感染している猫によくみられます。
目の奥が白く濁っている

(白内障)

目の奥(水晶体)が白く濁っています(白内障)。 通常は老化に伴ってみられますが、まれに糖尿病などが原因でおこることがあります。
