猫の聴覚

猫の聴覚は極めて鋭敏で人間が聞くことのできる音より2オクターブ以上高い音を聞くことができます。
人間が聞き取れる音域は20〜25,000ヘルツですが猫は40〜80,000ヘルツまでの音を聞き取ることができるといわれています。
また、猫はヒトが聞きとれる距離の4-5倍離れた場所からの音を聞きとることができるといわれています。
健康な猫の耳


健康なネコの耳の中は薄いピンク色をしています。
耳道を保護するために表面は少量のワックス状の分泌物でおおわれています。
このワックス状分泌物と剥離した上皮細胞がまざりあったものが耳アカ(耳垢)です。
耳道内の細胞は耳道の深部から耳孔入り口に向かっエスカレーターのように移動し、自動的に耳孔内の汚れを外部に排出する機能があります。
この機能のために健康なネコは耳そうじをしなくても耳孔内を清潔に保つことができます。

猫の外耳道は垂直外耳道と水平外耳道からなっています。
飼い主さんが直接観察できるのは垂直外耳道です。綿棒での耳そうじは、垂直耳道の汚れを水平耳道に押し込んでしまう事がありますので注意が必要です。

下記の症状が見られたら早めに診察をうけましょう!
当院でよく診察する代表的な症例を、いくつかご紹介いたします。



猫でよく見られる耳の病気
♡当院でよく診察する代表的な症例を、いくつかご紹介いたします。
耳孔内のうみ状の分泌物
(細菌性外耳炎)

この猫は細菌性の外耳炎でした。自分で掻いたり、他の猫とのケンカの傷が原因になることもあります。
耳介部背面の脱毛と紅斑
(アトピー性皮膚炎)

アトピー性外耳炎を放置しておくと耳介部はひっかき傷ができ細菌感染をおこしてさらに症状が悪化します。皮膚真菌症や蚊が原因の皮膚病でもよく似た皮膚症状がみられます。
黒褐色の耳アカ
(耳ダニ)

この猫は検査の結果ミミダニが検出されました。皮膚滴下タイプのお薬がよく効きますが外出している猫ちゃんは感染猫との接触が多いため再感染がおこりやすいです。
耳介部の脱毛と発赤
(蚊による皮膚炎)

蚊に刺されることによる皮膚炎です。耳介部や鼻などに皮膚炎がみられます。蚊は心臓内寄生虫のフィィラリアを感染させますので5月〜12月の感染期間中は予防薬の投与をしましょう。

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