犬のノミ駆除のイラスト

犬のノミの駆除と予防

ノミの繁殖

 ノミは気温15℃以上、湿度が50%以上になると卵を産みはじめます。

 

散歩中に犬に寄生したノミは家庭内に持ち込まれカーペットやベッドの下などで産卵し繁殖をはじめます。ノミの繁殖に適した環境では一匹のノミが1日に産卵する卵の数は約30個。生涯では約2000個の卵を産むといわれています。
 

ノミの繁殖

 
いったん家庭内でノミの繁殖が始まってしまうとノミの駆除はきわめて難しくなります。定期的なノミ駆除剤を投与すると同時に家屋内に生息しているノミの幼虫や卵を掃除機などで根気よく吸引除去して取りのぞくことが重要です。家庭内からノミが完全に駆除できるまでには3-6ヶ月かかります

 
ノミ対策のコツは「先手必勝!」です。ノミ製剤を定期的に使用してノミの繁殖を防ぐことが大切です。
 

ノミのみつけ方

イヌがさかんに痒がったり皮膚をなめている場合にはノミが寄生している可能性があります。
毛をかきわけてノミが寄生していないか調べてみましょう。

ノミは素早く動き回るので少数寄生の場合には見つけにくいかもしれません。

 
ノミが見つからなくてもノミの糞がみつかることがあります。ゴマ粒大のフレーク状の黒っぽいものが被毛の間に付着していればノミの糞の可能性があります。ぬらしたティッシュの上に置いておくと周囲に赤い色がしみ出してくるようなら間違いなくノミの糞です。

 
ノミの糞
ゴマ粒状のものがノミの糞です。
 
ノミの糞の写真
ノミの糞をぬれティシュの上におくと赤い液体がしみ出てきます。

ノミやノミの糞を発見できなくても外に散歩に出るとか庭に
ノラ猫がやってくるなどノミの感染の可能性がある場合には予防的にノミの駆除剤を使用しましょう。

ノミの駆除と予防

ノミの駆除薬は皮膚に滴下するスポットタイプや内服タイプなど各メーカーからたくさんの種類のノミ駆除薬が販売されています。正しく使用しないと効果が半減するばかりでなく副作用が発現することもありますので獣医師の指導のもとに使用するようにしましょう!

 ノミが原因の病気

ノミアレルギー性皮膚炎

 
ノミアレルギーはノミの唾液に対するアレルギー反応です。
犬は激しい痒みのために引っかいたり舐めつずけることにより脱毛、発赤などの皮膚症状がみられるようになります。 

治 療
 

定期的なノミ駆除と同時に痒みを軽減する薬で治療します。
通常は生活環境内でのノミの繁殖がはじまっていますので長期間の治療が必要になります。 

ウリザネ条虫

 
(ウリザネ条虫)

 
 ウリザネ条虫はノミが媒介する消化管内寄生虫です。ノミ寄生による痒みのために犬が体を舐めるときに誤って条虫を保有しているノミを食べて感染します。
大量に寄生すると下痢などの消化器症状がみられることがあります。
 

ウリザネ条虫の感染経路

 

治 療

 治療はウリザネ条虫駆虫薬の投与とノミの駆除を同時に行います。