犬の伝染病

犬ジステンパー

 
犬ジステンパー感染犬の写真
ジステンパー感染犬
 

ジステンパーは

犬ジステンパーウイルスに感染することで発症します
  
すでに感染している犬の目やにや鼻水、唾液、尿、便などに接触して感染(接触感染)したり、その犬の咳やくしゃみで空中に飛散したウイルスを吸いこんだりして感染(飛沫感染)します。
 
とくに1歳未満の子犬で、まだワクチンを接種していない場合の発症が多く見られます。また、高齢や他の病気で免疫力が低下している場合などにも感染しやすくなります。
 

症 状

 
感染初期には、目やにや鼻水、40℃前後の発熱、食欲や元気がなくなるといった症状が現れ、続いて咳やくしゃみといった呼吸器症状や、嘔吐・下痢などの消化器症状が認められます。これらの症状は、細菌の二次感染によってさらに悪化し、重度な肺炎を引き起こすことがあります。 
 

治 療

犬ジステンパーは死亡率が高く、いったんかかると有効な治療薬はありません。
運良く一命を取り留めたとしても神経症状などの後遺症が残る場合があります。
 

 予 防

5種ワクチン、7種混合ワクチンで予防できます

パルボウイルス感染症

犬パルボウイルス感染犬のイラスト

 

パルボビールス感染症は

消化器をおかす犬の伝染病です。
 
感染犬は嘔吐、下痢、発熱、白血球減少などの症状を示します。特に子イヌでは症状は重篤となり死亡率が高くなります。 
 
ウイルスで汚染された感染犬の排泄物や汚染物質との接触により感染がおこります。ウイルスは非常に強力で、汚染された環境中で少なくても6ヶ月間生存します。 

 

症 状

通常4~7日間の潜伏期間の後、激しい下痢や嘔吐、食欲不振や元気の消失、発熱、そして重い脱水といった症状が現れます。
 
下痢は水様性で悪臭をともない、ときに血がまじることもあります(血便)。
  
下痢や脱水の症状がさらに悪化すると、ショック状態を起こし、急死してしまうこともあります。 
 

 
治 療

犬パルボウイルスに有効な薬剤は、残念ながらありません。
  
治療は脱水症状やショック状態をやわらげる支持療法をおこないます。
  
予防ワクチンを受けていない同居犬がいる場合は、感染犬を隔離して消毒を徹底する必要があります。
 

診 断

診断はパルボウイルスの抗原検査、症状、血液検査などにより診断します。
 

 
予 防

犬パルボウイルス感染症の予防は、ワクチン接種が有効です。
5種ワクチン・7種ワクチンで予防できます。
 

犬伝染性肝炎

 
犬伝染性肝炎感染犬の目の写真

 

犬伝染性肝炎は

 犬伝染性肝炎とは、犬アデノウイルス1型ウイルスの感染によっておこるウイルス性肝炎です。
 
ウイルスは感染犬の分泌物(涙や鼻水、唾液尿、便など)のすべてに含まれ、これらを舐めたり、汚染された食器を使用することで感染します
 
おもに嘔吐(吐く)や発熱、下痢などの症状が現れ、重症の場合は命に関わることがあります。
 

症 状

このウイルスに感染すると発熱、下痢、腹痛などの症状が現れます。
 
病気の程度は軽いものから重いものまで様々です。子犬が感染した場合は、死亡する事もあります。
 
病気の回復期には眼球が白く濁る(ブルーアイ)ことがありますがこれは通常次第に回復していきます。
 

治 療

犬伝染性肝炎の有効な治療薬はありません。
 
そのためウイルス感染によってダメージを受けた肝臓の細胞が再生されるまでの間、点滴や抗生剤などで支持療法をおこないます。
 

予 防

5種ワクチン、7種混合ワクチンで予防できます。

ケンネルコフ

ケンネルカフ感染犬のイラスト
 

ケンネルコフ(伝染性気管気管支炎)は

咳(空せき)や発熱など、人間の風邪と似たような症状が長く続く伝染性の呼吸器感染症です。
 
ケンネルコフは不衛生な飼育環境や体力・抵抗力の衰えなどが誘因となってウイルスや細菌に感染し発症します。とくに空気が乾燥する冬場は感染しやすいので注意が必要です。

 

症 状

通常は頑固な咳の症状のみで他に異常はみられません。
 
咳は喉に何かを引っかけたような乾いた感じの咳をします。 咳の後で白いアワ状の粘液を吐くこともあります。
 
興奮や急激な温度変化により症状が悪化します。まれに発熱や食欲減少がみられることがあります。
 
経過はさまざまで、通常は2~6週間で回復します。 
ごくまれにまれに重度の肺炎症状を発現して死亡することもあります。
 

予 防

この伝染病は5種ワクチン、7種ワクチン接種で予防できます。

犬レプトスピラ症

 
 

レプトスピラ症は

レプトスピラ菌が感染することによって肝障害や急性腎不全などを起こす病気です。

 
野生動物、特にネズミはこの病気に感染しても症状を発現することはありませんが保菌動物として犬にこの病気を感染させます。
 
病気から回復した犬の尿中には長期にわたってレプトスピラ菌が排泄されるために散歩コースなどの環境中にレプトスピラ菌がまき散らされ他の犬への感染がおこります。
 

症 状

感染初期には発熱、ふるえ、筋肉の虚弱が最初の症状です。
 
その後、おう吐と急速な脱水症状が発現しします。重症例では衰弱のために死亡します。
 
犬は筋肉や腎臓の痛みのために動くことを嫌がります。目の充血や口粘膜の点状出血などの症状もみられます。
 

公衆衛生上の問題

  レプトスピラ症は人畜共通伝染病です。人間に感染する可能性があります。レプトスピラ感染が疑われる動物との接触には十分な注意が必要です
 

治 療

レプトスピラ症の治療には、抗菌薬の投与が有効です。急性腎不全や肝障害が見られる場合はそれに対しての対症療法も平行して行います。

 

予 防

7種ワクチン接種で予防できます。

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