野生の猫は、自ら狩りをして、栄養価が高く栄養バランスに優れた獲物を食べることで健康を維持しています。
一方、飼い猫は自分で食事を選ぶことができず、栄養管理のすべてを飼い主様に委ねている状態です。
そのため、飼い主様は、猫のライフステージ(成長期・成猫期・高齢期)や体調に応じた、栄養バランスのとれたフードを適切に与えることが非常に重要となります。
年齢に適したフードを与えましょう

猫ちゃんはライフステージごとに、必要とする栄養が異なります。
総合栄養食と表示されているフードを与えましょう!

「総合栄養食」
「総合栄養食」とは、猫の健康に必要な栄養素がバランスよく含まれており、このフードと新鮮なお水だけで健康を維持できるように設計されたフードのことです。
総合栄養食には、ドライフードタイプと缶詰タイプがありますが、それぞれに特徴があります。
-
ドライフードは、ほとんどが総合栄養食として販売されています。
-
缶詰タイプには、「一般食」や「おやつ」として作られているものもあり、すべてが総合栄養食というわけではありません。
猫ちゃんの主食として与える場合は、パッケージに「総合栄養食」と明記されているかどうかを必ず確認しましょう。
食事量

食事量はフードの袋に表示されている食事量の目安を参考にしてください。これはあくまで基準量です。便の状態や体重の変化などをチェックしながら適正体重が維持できるよう食事量を調整します。
食事の与え方

定時給餌法

・定時給餌法は、毎日決まった時間にご飯を与える方法です。
・1日に必要な給餌量を数回に分けて与えます。
・この方法はドライフード、ウエットフードいずれも使用できます。
・この方法の利点は多頭飼育でも各猫の食事量をモニターできることです。
自由採食法

・1日に必要な給餌量を食器に入れておき、猫ちゃんが食べたい時にいつでも自由に食べられるようにしておきます。
・缶詰タイプのフードは放置しておくと腐敗するために使用できません。
・多頭飼育の場合は各猫の食事量を性格に把握できないので食べ過ぎによる肥満や食事不足による栄養不良などがおこるリスクがあるのでおすすめできません。
フードの保管

・フードは時間の経過とともに栄養成分や香りが減少しはじめます。
・フードの袋を開閉する度にフードは空気に触れて栄養素の分解が進み風味も失われます。
・ドライフードは直射日光があたらない涼しい場所で保存しましょう。
・カンズメタイプのフードの食べ残しは30分以内に片付けましょう。開封後はすぐに冷蔵庫で保存しましょう。
猫に有害な食物
🧅 玉ねぎ・長ねぎ・にんにく
・赤血球を壊す → 貧血・血尿・元気消失
🍫 チョコレート(カカオ)
・テオブロミン中毒 → 嘔吐・不整脈・けいれん・致死の恐れ
🍇 ぶどう・レーズン
・腎不全のリスク(少量でも危険)
🧂 塩分の多い食品(干物・ハム)
・電解質異常 → 嘔吐・下痢・脱水・高血圧
🥛 牛乳(乳糖含む)
・下痢や腹痛を起こす猫が多い(乳糖不耐症)
🥑 アボカド
・中毒 → 嘔吐・下痢・心不全(特に種と皮)
☕ カフェイン(コーヒー)
・興奮・震え・心拍異常・けいれん
🍷 アルコール
・少量でも昏睡・嘔吐・死亡の危険
🍤 カニ、エビなどの殻・骨つき肉
・のどや消化管を傷つける