食事をしている猫のイラスト
 

猫の食事管理

自分で狩をして栄養が豊富な獲物をたべている野生動物とはことなり、飼い猫は自分で食事を選ぶことができません。
飼い主さんが栄養バランスのとれた食事を与えてあげないとさまざまな病気をひきおこします。特に胃腸の病気や皮膚病の多くは不適切なフードが原因でおこります。

年齢に適したフードを与えましょう。

年齢によって必要なカロリーや栄養素がことなります。発育中の子猫と成猫では栄養要求量が大きく異なっています。子猫には子猫用のフードを、成猫には成猫用のフードを、高齢猫(8-10才)には高齢猫用のフードを与えるようにしましょう。

総合栄養食と表示されているフードを与えましょう!

「総合栄養食」とは猫の健康に必要な栄養素がバランスよく含まれていてこのフードと水だけで健康を維持することができるフードです。総合栄養食はカンズメタイプとドライフードタイプがあります。ドライフードタイプのフードは総合栄養食が主体ですがカンズメタイプは総合栄養食でないものも多くありますので必ず「総合栄養食」と表示されているものを使用しましょう。

フードの保管

フードは時間の経過とともに栄養成分や香りが減少しはじめます。
・栄養素の劣化の程度は保存の仕方に大きく左右されます。
フードの袋を開閉する度にフードは空気に触れて栄養素の分解が進み風味も失われます。
・ドライフードは直射日光があたらない涼しい場所で保存しましょう。
・カンズメタイプのフードの食べ残しは30分以内に片付けましょう。開封後はすぐに冷蔵庫で保存しましょう。

食事量

 食事量はフードの袋に表示されている給与量の目安を参考にしてください。これはあくまで基準量です。ネコちゃんの性格や飼育環境、季節、運動量などによりそれぞれ栄養要求量がことなります。便の状態や体重の変化などをチェックしながら適正体重が維持できるよう食事量を調整します。

食事の与え方

定時給餌法

・1日に必要な給餌量を数回に分けて与える。
・この方法はドライフード、ウエットフードいずれも使用できます。
・この方法の利点は多頭飼育でも各猫の食事量をモニターできることです。
 

給餌回数

・子ネコでは1日3-4回
・成ネコでは1日2回が目安です。
 

自由採食法

・1日に必要な給餌量を食器に入れておき、愛猫がいつでも自由に食べられるようにしておきます。
・缶詰タイプのフードは放置しておくと腐敗するために使用できません。
・多頭飼育の場合は各猫の食事量を性格に把握できないので食べ過ぎによる肥満や食事不足による栄養不良などがおこるリスクがあるのでおすすめできません。

猫に有害な食物

ネギ類

(タマネギ・ネギ・ニンニク)
ネギ類には赤血球にダメージを与える物質が含まれており猫がネギ類を食べると重度の貧血をおこします、衰弱、呼吸数や心拍数の増加、赤褐色尿、溶血性の黄疸などの症状がみられます。

アボガド

 猫がアボカドを食べるとアボガドに含まれているペルシンという成分により 下痢・嘔吐、呼吸困難やけいれんなどを起こす可能性があります。すぐに症状が出るわけではなく徐々に現れてくるため、食べたあと2、3日後に症状が出始めることもあります。
 

チョコレート

チョコレートにはテオブロミンという物質がふくまれています。摂食後6-12時間で中毒症状が発現します。最初の症状は水を欲しがり、吐き気、下痢、落ち着きがなくなり、あえぎ呼吸、心拍数増加、尿量が増加、ふるえ、ケイレンなどの症状がみられ死亡することもあります。
 
 

ブドウ・レーズン

 
犬がぶどうやレーズンを食べると1時間以内に吐き気、下痢、飲水量の増加などの中毒症状が発現します。摂食後24時間から遅くとも数日後に急性腎障害がみられます。

キシリトール

 キシリトールは甘味剤としてガムやキャンディなどのお菓子類、虫歯予防の目的で歯磨き剤などにも含まれています。キシリトールはインスリンを分泌して血糖値を低下させます。中毒症状はおう吐、元気消失、ふらつきなどの症状がみられます。  

マカダミアナッツ

犬がマカダミアナッツを食べてしまうと、嘔吐、沈うつ、痙攣、高体温などの中毒症状が出ることがあると言われていますので、犬同様猫ちゃんも注意しておく必要があります