伝染病を予防する最も効果的な方法が予防注射です。

子猫は母乳を通じて病気に対する抗体を受け取ります(移行抗体)。この母親からもらった移行抗体のおかげで子猫は伝染病から守られていますが、移行抗体は時間の経過とともに子猫の体内から消滅します。その後は予防注射を接種して子猫自身の抗体をつくって伝染病から守ってあげなければなりません。

予防注射の効果を最大限に発揮するためには正しいワクチネーションプログラムに基づいて予防注射を実施することが大切です。通常、子猫は 6-8週令で最初のワクチン接種をします。その後3-4週間間隔で2-3回追加接種をします。
 
当院では飼育環境により猫3種ワクチンと猫5種ワクチンを使用しています。

予防注射の種類と注射時期

♡当院では3種ワクチンと5種ワクチンを接種しています
 

予防注射で予防できる伝染病

パルボウイルス感染症

猫パルボウイルス感染症のイラスト

 この病気は非常に感染力が強くあらゆる年齢のネコが感染します。4ヶ月令以下の子ネコでは死亡率は約75%、4ヶ月令以上の猫では死亡率は約50%といわれています。

猫伝染腸炎ビールスは猫から猫への接触により感染します。感染猫の血液、尿、便、鼻からの分泌物、まれにノミを介して感染することもあります。ベッド、ケージ、食物、あるいは感染猫をさわった人の手や衣類を介して感染することもあります。
 
最初の症状は全身衰弱、食欲減少、発熱、嘔吐、下痢、脱水症などです。血液検査では重度の白血球数の減少がみられます。重症例では最初の発熱から3-4日で死亡します。

 
予 防

3種ワクチン、5種混合ワクチンで予防できます

 
猫ヘルペスウイルス感染症

猫ヘルペスウイルス感染症にかかっている猫の写真

 
この病気は猫ヘルペスウィルスの感染によるもので、呼吸器が侵される病気です。
 
ウィルスは主に、鼻粘膜、口腔粘膜、結膜などので増殖し、 感染猫の目ヤニや鼻水などの分泌物と接触することによって感染します。子ネコが感染した場合には、死亡率が高くなります。
 
回復猫の約80%は体内にウイルスが残り無症状のキャリアとなります。このような猫が何らかのストレスにさらされるとウイルスが活動を始め再発をくりかえします。

特に多頭飼育の家庭ではピンポン感染がおこり症状のコントロールが非常に難しくなります。治療開始が遅れたり免疫が低下している猫では角膜炎や慢性副鼻腔炎などを併発します。

予 防

3種ワクチン、5種混合ワクチンで予防できます。

猫カリシウイルス感染症

猫カリシウイルス感染症の猫の写真

 
カリシウイルス感染症は主に猫の呼吸器疾患がおかされる伝染病です。感染猫はクシャミ、結膜の充血、鼻からの分泌物などの症状がみられます。
 通常は症状は軽度ですが中には発熱し衰弱するものもあります。このような猫は歯肉や舌の潰瘍がみられることがあります。
 海外では顔面の浮腫や出血をおこす死亡率の高い全身性強毒性カリシウイルスも報告されています。このタイプのウイルスは通常のワクチンは効果がありません

 
予 防

3種ワクチン、5種混合ワクチンで予防できます。

猫クラミジア感染症

クラミジア感染している猫の写真
 猫ヘルペス感染症やカリシウイルス感染症との混合感染がよくみられます。結膜炎が最もよくみられる症状です、重症例では結膜が赤く腫れあがります(結膜浮腫)。子ネコではまれに肺炎をおこすことがあります。
 

予 防

この伝染病は5種ワクチン、7種ワクチン接種で予防できます。

猫白血病感染症

  猫白血病は猫白血病ウイルスの感染によりおこる猫の伝染病です。
 
この病気は感染猫の唾液中のウイルスを介して感染します。感染がおこるには感染猫との濃厚な接触が必要です。仲の良い猫たちがお互いの体を舐め合ったり、食器の共有などで感染します。猫どうしのケンカで感染することもあります。汚染された尿、血液、糞便なども感染源となります。母猫が感染していると、ウイルスは胎盤を通過し子宮内の胎児に感染したり、ほ乳中に乳汁を通じて子ネコに感染することもあります。
 
日本国内での感染率は地域や飼育状況によりことなりますが5-10%と云われています。
 

猫白血病の経過

 

猫白血病の経過

予 防

3種ワクチン、5種ワクチン接種で予防できます。

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