松山セントラル動物病院 

          TEL(089)925-6008 

HOME | 猫の病気 | 猫の慢性腎炎

猫の慢性腎炎

 
 

猫の慢性腎炎

慢性腎炎とは

 
 慢性腎炎は腎臓の組織に炎症がおこり、数ヶ月から数年かけて腎臓の組織がすこしずつこわされて、飼い主さんが気づかないうちにゆっくり進行してゆく病気です。
 猫の慢性腎炎は高齢の猫に多発します。15才以上の猫ちゃんでは約30%が慢性腎炎にかかっていると報告されています。
 慢性腎炎は治癒することのない進行性の病気ですが食事療法や薬物治療により、病気の進行を遅らせ、毎日の生活の質を改善してあげることは可能です 
 

腎臓の構造

   腎臓はお腹の中で背骨を挟んで左右に1個づつあります。1つの腎臓に「ネフロン」と呼ばれる尿をつくる装置が約20万個集まってできています。

 ネフロンは血液中からオシッコをろ過するフィルターの部分(糸球体)と一旦ろ過した尿の中から体の必要な水分、ブドウ糖、電解質などを再吸収する細い管状の部分(尿細管)からなっています。

 尿細管はさらに集合管へと続き、腎盂→尿管→膀胱へとつながっています。
猫の腎臓の構造

腎臓のはたらき

  腎臓は血液中の老廃物(毒素)を尿として体の外排泄する働きの外に、水分や電解質バランスの調節、赤血球の生産に必要なホルモンの生産、ビタミンDの生産、血圧の調節など生命維持に欠かせない大切な仕事をしています  

猫の腎臓の機能
猫の慢性腎炎の症状

慢性腎炎の症状

 腎臓は尿をつくる臓器ですから腎臓が悪くなると尿が出なくなったり、尿量が減少するイメージがあるかもしれませんが猫の慢性腎炎はろ過装置(糸球体)で濾過された水分を必要に応じて体内に回収する部分(尿細管)が障害を受けるために大量のオシッコをするようになります。

多飲・多尿症状

 

猫の慢性腎炎の多飲多尿症状
 

  腎臓は予備能力に優れているため、腎機能が60%以上障害されるまでは症状が発現しません。
慢性腎炎の初期には尿量が増え、水を飲む量が増加します(多飲/多尿症状)。この時期には食欲もあり比較的元気なので発見が遅れがちになります。
 

 
よく見られる慢性腎炎の症状 

 
 
猫の慢性腎炎の症状

 

病気がさらに進行すると

 
・体重減少
・毛づくろいをしなくなる→毛艶がなくなり毛玉ができやすくなる。
・遊ばなくなり、だるそうに眠っている時間が長くなる。
・貧血のために歯ぐきの色が白っぽくみえる。
・尿毒症のために吐く息が臭くなる(アンモニア臭)
・便秘気味になる。
 
 ・・・などの症状がみられるようになります。
 

慢性腎炎の診断

  尿検査、血液検査、超音波検査などを組み合わせて診断します。クレアチニンと尿比重を測定することで、腎障害の進行度を知ることができます。その他、血圧測定、貧血の有無、電解質やリン酸濃度などを検査することにより、より詳しい病態の評価が可能になります。
慢性腎臓病の診断がやっかいな点は、腎臓は大変頑張り屋の臓器で、ある程度ダメージを受けていても、ほとんど血液検査結果に異常が出てこないために発見が遅れがちになることです。
 
 最近、タンパク質の代謝産物である[SDMA]の測定が慢性腎炎の早期診断に利用できるようになりました。SDMA検査はクレアチン検査に比べて検出率は約2倍高く、クレアチニンが増加する前に増加するするため早期診断ができます。
 
血中クレアチニンと尿比重の検査結果をもとに慢性腎炎のステージ分類を行います。

 
 
猫の慢性腎炎のステージ分類

 

慢性腎炎の治療

 慢性腎炎は、一度発症すれば治ることはありません。そのため、症状に合わせた緩和治療をおこないます。食事療法は腎臓への負担を減らすために低タンパク、低ナトリウムの療法食に切り替えます。内科療法では、脱水症を補正するための輸液療法、リン吸着剤、カリュウム補給、高血圧に対する降圧剤、など慢性腎炎関連症状を抑えるために必要な治療をおこないます。
  慢性腎炎のステージにより治療薬と治療法はことなります。
当院では脱水症を治療した後の血漿クレアチニン濃度と尿比重の結果をもとに慢性腎炎のステージの判定をおこなって治療スケジュールをたてます。

 
 

猫の慢性腎炎の治療スケジュール
LinkIcon
LinkIcon
LinkIcon
LinkIcon